かの女は目がきれいだった。かたちだとか睫毛の長さだとか、そういうことではなく(もちろんそういったことでも美しかったが)、なによりまなざしがきれいだった。かの女のなかみすべてを映しているような目だった。また目に限らず、柔らかな語調の声を紡ぐ唇も、陶器のように澄んだ皮膚も、きれいだった。つまりは美人であったのだ。小さな頭、柔らかな茶色の髪に、同じ色の眉に睫毛に、細い首と薄い躯、そして長くしなやかな手足、それらに包まれた心根までもが、眩しいほどきれいだった。すべてが望まれてつくられたような人であったのだ。
身を灰にするほどの熱があった。わたしはひたすらかの女に焦がれていた。かの女を抱きしめたいと思ったし、唇に触れたいと思ったし、長い脚——制服の丈が短く見えるほどだった——を撫でたいと思ったし、その奥にもくちづけたいと思った。それほどだった。
かの女の前でのわたしは、たしかに男であった。
100220